こんにちは、和楽器メディアです。
邦楽村でも人気だった、和楽器のアーティストさんへのインタビューを和楽器メディアでも開始いたしました!!
記念すべき第1回は、太鼓芸能集団「鼓童」の代表 船橋裕一郎さんと、鼓童若手メンバーの三浦康暉さんです。今回は前編後編の2回に分けてインタビューの様子をお送りいたします。
前編では船橋さんと三浦さんについてのお話を。後編では今年開催される「鼓童浅草特別公演『粋』」と「鼓童ワン・アース・ツアー2019『道』」 についてのお話をお送りいたします。
鼓童とは
太鼓芸能集団「鼓童」は和太鼓を演奏するプロ集団です。
数多く存在する太鼓プロ集団の中でも、トップクラスに位置する知名度とそれにふさわしい技術力を持っており、日本国内だけでなく世界中でも活躍するワールドワイドな太鼓集団です。
鼓童代表 船橋裕一郎とは
生年月日:1974年5月9日
出身地 :神奈川県中郡二宮町考古学を専攻していた学生時代に太鼓に出会う。1998年に研修所入所。2001年よりメンバーとして舞台に参加する。
落語やプロレス観戦など様々な趣味を持ち、柔らかな口調と人情味溢れる人柄でメンバーの頼れる相談役。また2012年より4年間、鼓童の副代表、また2016年1月より鼓童代表に就任し、鼓童全体を率いる。
2019年は、2018年に引き続き「道」公演を演出。さらに鼓童浅草特別公演「粋」公演でも演出を務める。
船橋さんへのインタビューは邦楽村の時にさせていただいており、今回2回目となります。第1回目のインタビュー内容が気になる方はこちらをご覧ください!
インタビュー -船橋裕一郎-
ーお久しぶりです。和楽器メディアの稲毛です。
本日はよろしくお願いいたします!!
お久しぶりです。太鼓芸能集団「鼓童」代表 船橋裕一郎です。
よろしくお願いします。
ー早速ですが、2018年は鼓童・船橋さんにとってどのような年でしたか?
2018年は鼓童が試されている年でした。
昨年は、今まで鼓童で芸術監督を務めていただいていた”坂東玉三郎“さんという大きな存在から独り立ちし、鼓童自らで歩みを進めて行きました。
歩みの中で「鼓童特別公演2018 道」や「巡 -MEGURU-」といった、鼓童にとってのクラシックから新しい音楽まで、これからの自分たちの軸になる公演をしっかりと演出し、お客様へ届けられた点は大きいです。
新しい挑戦が色々できた意義深い年で、新しい一歩を踏み出すことができた一年でした。
また、若いメンバーが意欲的に取り組んでくれたのも嬉しかったですね。若い世代の活躍を上の世代が見守り、上の世代は若い世代により物事を伝えようという気持ちも芽生え、チームとしての結束も固まりました。
本当に様々な面で充実した一年だったと思います。
2018年に浅草で開催された 鼓童特別公演2018「道」
演出を船橋さん自らが務めた公演
撮影:岡本隆史(Takashi Okamoto)
ー確かに2018年は今までにない革新的な公演が多かった印象があります。充実した一年の中でも印象に残っている出来事はなんでしょうか?
どの公演も印象に残っていますが、個人的には「鼓童特別公演2018 道」の演出や、「藤本吉利太鼓歴50周年記念公演」を作り出すことができたことでしょうか。
また、「巡 -MEGURU-」という舞台をできたことも大きく印象に残っています。
「巡 -MEGURU-」では今までにない世界観の和太鼓が披露された
撮影:岡本隆史(Takashi Okamoto)
ー印象に残っていらっしゃる「巡 -MEGURU-」を始めとし、2018年の公演では若い人へ向けた公演も多かったと思います。
SNSなどを見ると若い人が鼓童に注目している場面を多かった印象がありますが、鼓童としての手応えはいかがでしたでしょうか。
もっともっと若い人に見て欲しいなという感じです!!
若い人もですが、メンバーも同世代の人に和太鼓を見てもらいたいという想いがあるんじゃないかなと思います。私もそうですが、同じ世代の方にも見てもらいたいですね。
鼓童は満遍なく色々な世代がいるので、色々な世代に届く演奏ができるんじゃないかなと思います。
ー確かに、同じ世代で頑張っている姿を見るのは励みになりますね。
ー2018年は新しい一歩を踏み出したとのことですが、2019年はどんな年にしていきたいですか。
2019年は足場固めの年にしていきたいです。
今年は「鼓童ワン・アース・ツアー2019『道』」のようなクラシックスタイルで全国を回ったりしていきます。今まではクラシックスタイルでの公演はたまにやることはあっても、じっくり取り組んだことはありませんでした。
クラシックスタイルに対して時間をかけてじっくり取り組み、練り上げを行う。そうすることで2020年以降、さらに新しいチャレンジができると思っています。
ワン・アース・ツアー2019「道」は5月から開催される全国ツアーだ
撮影:岡本隆史(Takashi Okamoto)
ークラシックスタイル…素敵ですね!!2018年に浅草で聴いた「道」が全国に広がるのを楽しみにしております。
ちなみ、足場固めということは2019年は挑戦の年ではないということでしょうか?
足場固めの年ではありますが、それもまた挑戦なのかなと思います。
鼓童では今までたくさんの新作を披露してきました。しかし、既存のものを練りこむということに関してはあまり取り組んだことがないんです。
新しいものに取り組むのは、チャレンジという意味で大変ですがモチベーションは上がります。しかし、練り込む場合はモチベーションを保つという部分がとても難しいんです。
ですので、モチベーションを保ちながらしっかりと練り込みに取り組んでいきたいです。こういった作業は工夫しないといけないので大変です。そういった意味での「挑戦」ですね。昔の物であっても意欲的にとりくめるような環境作りというのも重要になってきますね。
ー足場固めもまた挑戦。深いですね…
常に挑戦する姿勢、僕も見習いたいと思います!!
ー昔のものへの取り組みという話がありましたが、鼓童では昔の楽曲をどのように学んだり、練習したりされるのでしょうか。
やっぱり先輩に聞きますね。曲がどういう経緯でできたの話を聞いたり、実際に音を出してもらい、教える・教わる中で「どうしてこうなのか」と考えたりもします。曲のルーツ・大元をたどるという作業はとても大切なんです。
ー直接聞いて、教わる。
最近は映像なんかで学ぶことも多いですが、それとは異なるんでしょうか?
映像だと質感って伝わりいにくいんです。太鼓は楽器ですので音が大切です。音の出し方とか違いはやはり直接聞くことで感じることのが一番です。そして、その中から次に繋がる新しい発見なんかもあったりします。
ー肌で感じるからこそ伝わるものがあるんですね。
是非、若い世代の方々にも聞いて欲しい言葉です。
若い人といえば、鼓童では最近学生さんなど若い人と接する機会を作る取り組みをしています。
これまで鼓童は若い人と接する機会があまりなかったのですが、これからは積極的に関わりを持てたら良いなと思います。
実際に会って教えるからこそ感じてもらえるものがあります。太鼓や鼓童の魅力をリアルのコミュニケーションを通して、より深いところで感じてもらいたいです。
ー素敵な取り組みですね。
この取り組みで、太鼓の世界に足を踏み入れる若い人が増えたら嬉しいですね。
それにしても、鼓童の方に直接教えてもらるなんて羨ましいです!
ー船橋さん、2018年のお話から2019年のお話に加え、色々なお話ありがとうございました。
こちらこそ、ありがとうございました。
<次は三浦康暉さんへのインタビュー、
笑いあり感動ありのお話です。>
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