漆器に用いられる漆。独特の色味や風合いがありとても素敵な素材です。和楽器では尺八の内側に塗られたりしています。
漆ですが、昔から気になっていたことがあります。それは「漆は湿度が高くないと乾かない」ということ。普通は乾燥している方が乾きそうですが、漆はその逆なんですね。気になったのでその理由と、漆という素材について調べてみました。
漆とは
漆はウルシ科のウルシノキなどから分泌される天然の樹液を加工することによって生成される天然樹脂の一つです。漆は非常に強固な樹脂で、漆器など塗るだけでなく、割れた食器を修正する金継ぎなどにも使用されるます。
漆を使用するもの
漆といえば漆器として使用されることが主ですが、それ以外の用途にも色々と使われています。
漆器
漆を塗ってコーティングした食器などに使用されています。
金継ぎ
割れた陶器などを金と漆を使用して接着して復元する「金継ぎ」などにも使用されています。
尺八・篠笛などの塗り
尺八や篠笛の内径を漆を用いて塗ります。
鼓の塗り
鼓の縁を塗ったり、柄をつけたりするのに使用します。
三味線にも
三味線にも使われています。撥道で開発された「影藤」にはかぶれにくい漆が塗られており、黒い三味線になっています。
漆の風合い
漆を塗ると独特の風合いが生まれます。艶があるのに、テカテカすぎない厳かな風合いは日本のわびさびを感じさせてくれますね。
また、色によっても風合いが異なります。黒い漆は非常に深い黒色をしており、塗ると空間を感じさせる深みを与えます。ただ真っ黒というわけではなく、奥があるような黒の風合いを与えます。赤い漆は、非常に明るい色をしているものの、嫌味のない風合いをもたらします。清潔感のある色味は食材などが生きているかのような雰囲気を与えてくれます。
なぜ漆を使用するのか
漆を使用することは、見た目だけでなく実用的な意味でも効果があります。その効果とは、『防腐性・防水性・耐薬性』です。長く保存するものや、日常品で清潔を保つ食器などにはうってつけの素材なんですね。それに加え、漆の塗膜は頑丈なので中々剥がれないというのもメリットのようです。
漆は湿度がないと乾燥しない!?
そして私が長年不思議だった漆の謎、それは「漆は湿度がないと乾かない」ことについてです。普通は塗料というと、乾燥した場所などに置くことで乾きますよね。しかし漆は逆で、湿度がないと乾かない・乾きづらいとのこと。一体どういうことなのでしょうか。
普通の塗料は塗料内の水分が抜けることで乾きます。しかし漆の場合は樹脂なので、この工程が異なるようです。その理由は漆を構成する『ウルシオール』という成分にありました。漆は酸素を取り入れることで酸化し、化学反応によって液体から固体へと変化するそうです。そのため、空気中に水分がある方が酸素をより取り込みやすく、固まるとのことです。
なるほど、漆は通常の塗料とは異なる化学反応によって固まっていくんですね。漆を使用する職人さんは、湿度をうまく調整することで漆の固まる速度を調整して工芸に利用するそうです。漆、奥が深い…
参考:日本文化伝統スタイル 湿度が高いほど乾く漆の不思議:ウルシオールの性質
漆は歴史ある魅力溢れる素材です
漆は調べれば調べるほど魅力が詰まった素材ですね。和楽器などにも使われているのが納得の素材ですね。
やっぱり素材って調べてみるととても面白いですね。知らなかったことがたくさん出てきます。和楽器に使われている素材でも、まだまだ気になる素材が色々あるので、今後も調べてみようと思います。
参考・引用
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