三味線を分解することってないなぁ〜と思っていると意外なタイミングで必要になったりすることがあります笑
しかし分解について書かれているものって、案外まとまっていなかったりしてやる場合に困ったりします。
今回は三味線を三つ折りにする方法から、下棹と胴を外す方法までを紹介いたします!!
この状態の三味線を・・・
分解してこうします!!
さらに今回はこうします!!
※この方法はあくまで一例であり、全てではございません。流派や先生によって異なる場合がございますので、より詳細は先生に聞くのが一番良いです。
三味線を三分割する
1.音緒を外す
棹を分解するにあたって、弦などを外していく必要があります。その為にまずは音緒を外します。
音緒は棹の最下部に引っかかっているだけなので、糸巻きを回して弦を緩めるだけで簡単に取れます。
取れたら、弦をある程度束ねて、下記のように八の字に巻いていきます。
あまりきつく巻くと、弦に折り目がついてしまうので注意が必要です!
音緒は糸巻きに引っ掛けたり、東さわりがあればそこに引っ掛けたりすると邪魔になりません。
しまうケースによっては棹の面が下にくる場合があるので、そういう場合は裏面で八の字を作るように巻いておくと糸がつぶれにくくなります。(天神部分は反っているので、正面で巻いていてもあまり潰れるということはないです。)
※古い三味線などだと、音緒を外した時点で胴が棹から抜けたりする場合があるので、落とさないよう注意が必要です。
sp.譜尺シールは剥がしておく
もし譜尺シールを貼っている場合は剥がします。
うっかり貼ったままだと棹を外そうとしても外れなくて焦ります笑
2.棹の継ぎ目(継手)を確認する
棹には継ぎ目があります。
普段はきっちりとはまっていて、継ぎ目が見えにくいですが、分解する時に重要なのでどこに継ぎ目があるか確認しておきます。
3.棹を外していく
次は実際に棹を外していきます。
そのまま引っ張って抜けるものではないので、ちょっとしたテクニックが必要です。
上棹、下棹どちらから外すかは人によるようですが、下棹から外す場合は勢い余って上棹も取れて落としたりしないよう注意が必要です。
今回は上棹から外します。
3-1.継ぎ目を握る
継ぎ目を写真の右手のように握ります。上棹(天神が付いている方)が親指にかかり、中棹が残りの指にかかるように握ります。
3-2.握った手をたたいて棹に衝撃を与え、緩める
棹を直接叩かずに、握った手を斜め上から叩いていきます。その衝撃だけで棹が緩み、隙間ができます。
ポイントは斜め上からというところです。衝撃を加えることで緩めるのですが、真横だと以外に緩まないんです。縦に近い衝撃を加える為に斜め上から叩いてあげるのが重要です。(横からでも取れないこともないです)
隙間ができたら、引き続き手を叩き、スッと棹が外れるまで隙間を広げていきます。
隙間が中々できない場合は、手を叩くと同時に『親指で上棹』を上に、残りの指で『中棹を下』に押し出すように指に力をかけると抜けやすくなります。
※解体は力を直接三味線にぶつけるのではなく、力の流れを三味線に伝播させてるイメージです。あまり思いっきり叩くと三味線にダメージがいって、早く壊れる一因になります。簡単には壊れないそうですが、気をつけてください
棹を外す作業は慣れるまでかなり難しいかと思います。何度もチャレンジすることでコツを掴めるようになるので、頑張ってください。
3-3.棹を外す
隙間が広がって、スッと棹が抜ければOKです。
中棹も同様に外していきます。これで上棹、中棹、下棹&胴の三分割完了です。
三分割されれば三つ折りケースやリュック、カバンに入れるのも楽になります!!
中古の三味線だとついていない場合もありますが、『仮継』がある場合はつけておきます。仮継がない場合は継手が折れたりしないよう、くるんだりして保護してあげてくださいね。
専用の袋がある場合はくるんで、箱に入れれば完成です。
ちなみに、『仮継』とは三味線の継手を保護してくれるパーツです。三味線を作る際に一つ一つの三味線に合わせて職人さんが製作します。
このような感じに保護してくれます。
三つ折りの場合は以上の手順で完了です。
しかし、下棹と胴を外す必要があることがあります。次は下棹と胴を外す手順を紹介します。
胴と下棹を分離する
何故『胴と下棹』分離するのか??
基本的には、持ち運ぶだけなら三分割でOKです。
しかし胴と下棹を分離した方が良い場合があります。それは飛行機に乗る場合などです。
三味線は本当に精密で、胴の中はほぼ密閉状態に近いです。その為、飛行機の気圧で中の空気が膨張し、皮が割けることがごく稀にあるそうです。ポテトチップスの袋を山に持っていくとパンパンになることが三味線でも起こると思ってもらえればOKです。
そのリスクを避け、より確実にするには胴と下棹も分離しておくのが良いそうです。
また、三味線の修理に出す際に、胴だけ持ってくて欲しい、送って欲しいということもあるので、覚えておいて損はありません。
『胴と下棹』の分離方法
三味線の胴と竿はただキッチリとはまっているだけなので、胴を下に下げるよにして竿が座布団に当たると勢いで緩んで外れます。
1.胴かけをはずす
胴かけの紐を解いて胴かけを外します。
2.座布団やクッションを準備
分厚すぎない座布団やクッションを準備します。なるべく平らな形のものが良いです。
3.胴の上部を持ち、少し持ち上げます
胴の上部を両手で持ちます。(写真は撮影の都合上片手ですが)
胴をそのまま少し持ち上げます。
4.敷いた座布団・クッションに対してまっすぐ竿の一番下が垂直に当たるようにおろす
胴の上部を持ったまま、竿の音緒が引っかかっていた部分を座布団に対して垂直に少し勢いをつけておろします。これだけで結構簡単に外れます。
注意点は、勢いと力をかける方向です。あくまで胴と竿の結合を解きたいだけなので、胴と竿をがっちり握ってぶつけても意味がありません。串団子や焼き鳥を箸で抜くが如く、スルッと外してあげることが大切なんです。
組み立てる時が逆の手順で
分解した三味線を組み立てる時が逆の手順を行えばOKです。
どのパーツもカチッとハマるまではめていけば良いのでこちらは簡単です。
まとめ:最初は難しいけど、コツを掴めば分解も楽々
やってみると、最初は棹を外すところで苦労したりもしました。ですが、何度かやっていくうちのサクッと分解、組み立てが行えるようになります。
分解の必要がある方は何度かやって慣れておけば問題なさそうです。しかしながら、繊細な楽器なので、一回一回気をつけながら試すことをオススメします。
三味線の解体方法、こういうのもあるよなどございましたらご意見お待ちしております。皆さんで情報を共有して、より良い三味線ライフを過ごしましょう!!
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