今回は福田蘭童作曲の尺八二重奏曲『利根の舟歌』を紹介します。ゆらり揺られる舟のようなテンポ感が心地よい曲です。
利根の舟歌の作曲者
利根の舟歌の作者は『福田蘭童』です。
福田蘭童氏と言えば、ねずみ車や月草の夢を始めとして、数多くの曲を作曲された方です。中でも、1950年代のNHKのラジオ「新諸国物語」の笛吹童子のテーマはかなり有名どころではないでしょうか。
利根の舟歌の構成
- パート :2パート(尺八:八寸2)
- 演奏時間:4~5分前後
利根の舟歌の曲調
利根の舟歌の曲調はゆったりなのに軽やかという感じです。舟が川面を緩やかに見えてスイスイと進むような独特のテンポ感が特徴的です。
後半は川の流れが変わる如く、テンポが早くなったりします。そして最後はまたゆったりと…川というものの形なき様子を表しているのでしょうか?
二本の尺八が複雑に絡む様子なども、川の水がおり重なり流れる姿のようにも思えます。もしくは川と舟を表しているかのようです。
利根の舟歌の難易度
運指が細かいこと、途中でテンポが変わったりすることを考えると「結構難しめ」の曲です。
また、ゆったりとしたテンポで甲音のロングトーンなどが多い為、以下に綺麗に吹くかという所も難しいです。
息音が目立たないように丁寧に吹きつつも、テンポ感や二本で掛け合う一体感などは損なわないように軽やかに吹く必要があります。
難易度で見ると高めではあります。しかしながら、できないというレベルではなく、むしろ取っつきやすく、練習しながら多くのことを学べる難易度の曲です。
まとめ:利根の舟歌、緩やかで美しい旋律が尺八の良さを伝えてくれる一曲
利根の舟歌、ゆったりとしていて美しく響く一曲です。この曲は尺八の持つ音の美しさを確実に届けてくれます。
掲載させていただいた動画の旋律からも、その美しさがすごく伝わってきますね
また、二本の尺八の重なりは聴く人を楽しませてくれます。そして、一緒に練習した人同士がとても仲良くなれる素敵な曲です。新たに尺八を始めた人と、先輩尺八吹きに是非とも取り組んでもらいたいです。
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