楽器の運搬って、かなり神経を使いますよね。
しっかりと梱包しないと破損してしまったり、梱包しても不安になってしまったりします。しかし、梱包に時間を割き過ぎて練習時間がなくなっては本末転倒です。
前回は太鼓をそのまま運んだりする時のポイントを紹介しました。
今回は「太鼓の運搬や梱包の破損防止」についてのお話です。和太鼓を長く大切にしていく為に、お役立てください!!
太鼓が壊れる原因
そもそも何故運搬で楽器が壊れるのかという所ですが、様々な理由があります。簡単にまとめると以下のような感じです。
- 運搬の際にぶつけたことによる破損
- 運搬の際に落下したことによる破損
- 無理な梱包による破損
- 運搬時の環境変化による破損
決して雑に扱う訳ではなく、大切に扱おうとしていてもふとした瞬間にこれらの事象は発生したりします。
しかし、ちょっとした所に気を遣うだけで、これらの破損は防げます!!少しの工夫が楽器を長持ちさせてくれるわけです。
では、上記で挙げた破損方法を防ぐための方法をご紹介していきたいと思います。
運搬の際にぶつけたことによる破損
まずは、運搬の際にぶつけたりすることによる破損についてです。
これに関しては、破損したことはなくてもヒヤリとしたことがある方も多いのではと思います。
これらを防ぐ一番の方法ははやはり、ぶつけないように細心の注意を払って積み込みなど運搬を行うことです。
しかしながら、それでもぶつけたりしてしまうことはあるかと思います。
その為の解決策はこれです。
実際どんな時にぶつけるのか。その場面や原因を理解しておくこと。
想定し、理解することで細心の注意が心がけから、実践に変わります!
チーム内でその場面を話し合ったりしてみてください。
今回は、例としての場面と危険性、簡単な解決策を書きましたので、参考にしてください。
場面 | 危険性 | 解決策 |
人とすれ違う時 | ・避けようとして楽器を壁や物にぶつける危険性 | ・相手には先に通ってもらう ・周りを見ながら避ける |
人の後ろを通る時 | ・急に人が動いて、人とぶつかる危険性 ・避けようとして楽器を壁や物にぶつける危険性 | ・通る時に声かけを行う ・急に相手が動いた場合も急に動かない |
狭い・低い通路などを通る時 | ・通路や段差にぶつける危険性 | ・持っている物の大きさをしっかりと把握する →体からはみ出ている部分は認識しづらい ・必要以上に多くの物を持たない |
楽器を置く時 | ・ 突起物の上に置いて破損させる危険性 ・置く場所が濡れていたりして汚損する危険性 ・強く置いて破損する危険性 | ・置く場所が 安全な場所かを確認する →不明な場合は触ってみたりする ・置く際は丁寧に!! →ケースありの場合、乱雑に置きやすくなる |
楽器を詰める時 | ・楽器同士がぶつかったりして破損する可能性 | ・楽器通しの間にクッションを詰める |
運搬の際に落下したことによる破損
次は、落下による破損についてです。
そもそも落下する自体はあまりないのですが、どういう時に発生しやすいか、こちらもまとめてみました。
- 楽器を人から人へ受け渡す時
- 持ち手などがないものを運ぶ時
- 小物などを無理に多く持つ時
- 無理な体勢での運搬
- ケースが壊れて落下する
そんなん分かってる!!と思いつつもついついやってしまうことがあります。
こちらも対処法は、「ぶつけての破損」と同様に心遣いと場面の想定が重要なわけではあります。しかし、落下に関してはぶつける場合よりは場面が限られてくるので、しっかりと対処すればほとんどの場合で防げるかと思います。
例として挙げたものの対処法をまとめました。こちらも参考にどうぞ。
場面 | 危険性 | 解決策 |
楽器を人から人へ受け渡す時 | ・ちゃんと相手が受け取っていないことによる落下 | ・受け取ったり持ったりしたら声かけをして、それから離す |
持ち手などがないものを運ぶ時 | ・滑って落としてしまう | ・持ち運ぶ箱やケースに滑り止めをつける ・滑り止め付きの手袋をつけて運ぶ |
小物などを無理に多く持つ時 | ・持っている途中に細かいものが落ちる | ・必要以上のものをいっぺんに持たない →大量に持つ為に時間をかけるなら、少量を数回に分けて運んだ方が早い場合も |
無理な体勢での運搬 | ・体制を崩し、楽器を落とす ・自分や他人も怪我をする危険性 →大太鼓を運ぶ際などに発生しやすい | ・楽器の大きさや重さなどにあった人数で運搬をおこなうこと ・常に安全の取れる態勢を保ち、それが可能なルートで運搬する |
ケースが壊れて落下する | ・楽器落下の危険性 ・落下時に怪我をする危険性 | ・ケースのこまめなメンテナンスを行い、破損がないかを確認する ・和太鼓のケースの場合、取手が重さに耐えられず壊れることが多いので、必要以上に取手を引っ張るなどケースに負担をかけすぎないようにする |
注意していても落下することはあります。
落下した場合に備えて、太鼓の「面、胴、縁」を保護する為の簡単な方法もまとめました。
箇所 | 方法 | 利点 |
面 | 軽量の断熱ボードなどを面に合わせてカット、面にとケースの間に入れておく | 落下の際、衝撃を吸収し割れてくれます |
胴 | 毛布などに包んでケースにしまう | 落下の際、直接地面にぶつかるのを防ぐ |
縁 | ロール状に巻いたプチプチで、縁に沿わせるように保護する | 落下の際に縁がつぶれるのを防ぐ |
無理な梱包による破損
無理な梱包とは、どういうことかというと、一つの場所やケースにパンパンに詰めたりすることです。分かることではありますが、ケース内で余裕がなくなりぶつかったり落下したりした時の衝撃の逃げ場がない状態になります。
紙や規則正しい角材などなら、良いのかもしれません。
しかしながら、楽器の場合は大きさや重さも個々で異なるので、かなり危険です。
さらに、詰めれば詰めるほど重量も増加するので、何かあった際の破壊力も増加します。
車などに積み込む際や、荷物の個数制限などがある場合、どうしても無理くり詰めなければいけないのですが、上手く工夫してやることが大切です…
琴などに見られるものですが、パイプとアタッチメントを上手く利用して、棚を作って積み込みをしている方もいらっしゃるようです。
そういった工夫をすることも破損せずに運ぶことに繋がりますね。
運搬時の環境変化による破損
運搬中の環境変化によって楽器が破損することも稀にあります。和太鼓の場合も温度や湿度の変化に注意が必要です。
三味線の胴などは、麻袋に入れることで、適度な湿気を保ったりします。麻袋自体が適度に湿気を吸ったりするのもありますが、空気の層ができることもあります。
なので、ケース内に二重三重に層を作ることで、外部からの温度や湿度などの変化の影響を受けにくくなるかと思います。
まとめ:大変だけど、楽器を大切にしていきたい
運搬時のあれこれって、中々時間をとってやるのは難しいですよね。日々の練習などに加えてとなるのでなおさら大変かと思います。
しかし、楽器あってこその奏者なので、可能な限りは対処して大切に扱っていきたいですね。
一つ一つの本番での演奏や出会いって何にも替えることはできません。楽器が壊れてしまったら悲しい思い出が残ってしまします。
楽器を大切にして、楽しい思い出をたくさん作れたらとても幸せですね!!
おまけ:梱包に役立つ情報
太鼓ケース
お金もかかることではありますが太鼓用のケースで補強するのというのも一つの手です。
ケース作成をしているオススメの会社をご紹介いたします。
以前「タカベケース」という会社に和太鼓のケースを作成していただく機会がございました。
タカベケースさんは色々なケースを作成している会社で、和太鼓のケースもソフトケースからハードケースまで色々と作っている会社です。実績もとても多く高い技術を持った会社です。
お値段もかなり安く、ケースの質もとても良いものでした。面の部分には補強用の板が入っていたりとかなり頑丈です。
気になる方は是非お問い合わせしてみたください。
梱包グッズ
梱包に使えるグッズもご紹介します。よろしければ参考にしてみてください。
ストレッチフィルム
電気屋さんとかで見るあれです!!
太鼓の台などをまとめる時などに重宝します。
断熱ボード
今回の記事で書いた、太鼓の面を補強したりするのに使用します。
カッターなどで簡単に切れるので結構楽に加工できます。
巻きダンボール
段ボールの入らないけどケースがないものなどを包む場合に大活躍します!!
プチプチで包んだ後にこれで包めば一層安心です。
プチプチ(緩衝材)
おなじみのプチプチです。
梱包の都度小分けを買うならロールを買った方がお得です。
これ…プチプチって名前でいいんですね笑
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