みなさんこんにちは。
今回は箏で使われる木材について解説していきます。
箏を始めたばかりの頃は、周りから質問される機会が多いと思います。
例えばこんなケース。
そうなの、最近はじめたんだー!
ところで箏ってなんの木材使ってるの?
えっと、そういえばなんだろう……
こんなことになりかねません。
いざという時、サッと答えられたらかっこいいですよね。
では実際、箏に使われる木材は何の木が元になっているのでしょうか。
明日からこんな質問をされても答えられるように、箏の木材についてわかりやすく説明します。
この記事を読んだあとは、きっと箏に対して愛着が湧くはずです。
箏は何の木材を使ってるの?
結論から先に言うと、桐を使っています。
箏で使われる木材は桐のみです。
- 全長約182cm
- 幅約25cm
- 重さは約5.5kg
結構大きいですよね。
木は一般的に50〜100年くらいで大人になります。
その中でも桐は成長スピードが早く、10〜25年くらいで大人に。
では、箏の材料となるには一体どのくらいの年月が必要なのでしょうか。
作るのにどのくらい時間がかかるの?
箏の直径よりも桐が長く太く成長するためには、20年以上の歳月がかかります。
長い時は60年かけて成長させる必要があるものも。
成長スピードが早くても、熟成した桐が必要なんですね。
さらに桐の中でも使えるところと使えないところがあります。
一本の木から使えるのは一面分くらい。
面積の大きい十七絃はさらに少ない。
箏に使える桐は貴重な存在ですね。
また、箏は木材なので天然モノ。
ひとつひとつ模様が違います。
長い年月をかけた世界でひとつだけの箏。
そんな風に思うと、いま弾いている箏に愛着が湧いてきませんか?
箏の木材で桐を使う理由とは
箏の木材として桐を使う理由は4つあります。
桐には、箏を作る上でのポイントがすべて満たされています。
先に3つ紹介すると、このようなイメージ。
- 均一な材質
- 吸水率や透水性が低い
- 熱伝導率が低い
このような特徴は、箏を作るために必要なもの。
桐はまさに、箏にすごく向いている木材なんですね。
そして、桐を使う理由はもうひとつあります。
それは模様。
箏は、龍をモチーフに作られた楽器です。
そのことについてはこちらの記事で詳しく書いています。
龍の背中には鱗がありますよね。
その鱗の模様を表す意味でも、桐が使われています。
どこの桐が一番いいの?
桐は桐でも、どこの桐が一番いいのでしょうか?
箏に最も適している桐は、福島県会津地方の桐だと言われています。
このような箏は会津箏と呼ばれ、人気の高い箏ですね。
会津箏が一番良い理由とは
では、なぜ会津箏が一番良いとされているのでしょうか?
それは音響性がバツグンに良いからです。
会津箏は、多孔質という特徴があります。
これにより密度が高く、硬度と粘性のバランスをとることができます。
会津以外の桐はあるの?
あります。
国内だと秋田や新潟の桐が使われることも。
ただ最近では桐自体が減ってきており、外国の桐を使うことも多いです。
ブラジル産や中国産、北米産などの桐も多いですね。
日本の桐と外国の桐は見分けられる?
普通に見ても判別は難しいですね。
見分ける方法としては、木目を見るのがいいと言われています。
外国産の桐は太い線と細い線が交互に表れます。
それに対し日本の桐はそれがほとんどありません。
あとは会津箏とそれ以外の日本の箏では、桐の硬さで判別ができる場合があります。
箏に使われる木材は他にもある?
箏のボディは桐でできています。
しかし、細部の装飾には花梨、紫檀、紅木などが使われています。
この3つ、ランクがあって上にいくほど高級で値段も高くなります。
(低い) 花梨→紫檀→紅木 (高い)
箏の木材まとめ
- 箏に使われる木材:桐
- 桐は箏に向いた素材
- 龍の鱗を表現するのに桐がぴったり
- 桐が箏サイズまで成長するには20年かかる
- 桐の中でも福島の会津箏が一番適していると言われている
箏に使われる木材は桐だということがわかりましたね。
この記事を読んだあなたはもう箏の木材に関する知識はバッチリです。
ぜひこの知識を覚えて今後の箏ライフに役立ててくださいね。
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