その三味線は本当に大丈夫?

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初心者
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アニメや漫画で話題の津軽三味線の影響が、
広まりつつあり、中古の相場も高値安定傾向の様ですが、
『津軽三味線が欲しい!』と思った人が、
最初に辿り着く購入場所は、某オークションサイトではないでしょうか。

しかし、どれが良い三味線かも判らないし、
いったい、どれを買えば良いの・・・?

 

津軽三味線が他の三味線より高い理由

 

最初にお伝えした様に、某オークションを訪れると、
津軽三味線だけは、細棹や中棹と比べると
平均価格が倍以上していたりします。更に高級品の
「金細」「綾杉胴」「虎トチ」「象牙」「金」を使った物は
皮が破けて弾けない状態でも数十万は当たり前になっています。

なぜ、そんなに高いのか・・。

一言でいえば、それだけ人気があるから・・ですが、
業者や転売を目的で取引をしている人も多いそうです。

 

(紅木の津軽三味線)

もう一つの理由は、三味線全般に言えますが、
原材料の「紅木」がワシントン条約に抵触する為、
今は輸入制限されています。その為「紅木」が
プレミア価格になり三味線屋さんでさえも、
高い原価で材料を仕入れているのが現状なのです。

そんな理由から、高騰しているとはいえ、新品より
手頃な価格(といっても予算的には結構な価格ですが)
手に入る中古オークションに業者から一般人まで
集まってきてしまうのは仕方が無いのかもしれません。

 

津軽三味線をオークションで買う時のチェックポイント

 

・天神
割れ、欠け、修復歴がないかはチェックポイントです。
天神が欠けていると演奏会や大会などでは、見栄えも悪く
「楽器の扱い方」としても心象に良くありません。
三味線全般に言えますが、倒しただけで簡単に壊れてしまう
最大の泣きどころが「天神」で欠けた三味線は多く
中古市場に出回っていますので確認が必要です。
(三味線屋さんで修理すれば綺麗に治ります)


・福りん(糸巻きの留め金具)

たまに福りんが、外れてしまう個体があります。
調弦にも影響するので、不明な場合は、
出品者へ確認することをお勧めします。
また、K9金、K18金、などを使った三味線もありますが、
効果としては通常のものと変わりません。


・糸巻き

最近は、アクリル製のキラキラした製品もあります。
他には、黒檀、象牙、象牙風プラスチックなどが
ありますが、黒檀などの通常の木製で十分ですが、
折れの修復歴や、ヒビ、糸巻きの調整が必要か、など
ポイントになってきます。もし交換が必要になると、
数万円の出費になるので確認しておきたいところです。


・棹 

検索用のキーワードとして『津軽三味線」と
表記している出品者もいますので要注意!
全く違うジャンルの「細棹」という事も多いです。
本体の汚れ具合などで、状態は大体予測できます。
例えば糸がグチャグチャになったまま、
天神に巻きついていたり、皮などが余りに汚い場合は、
保管状態による、棹の捻れ、反り、割れ、ヒビ、
繋ぎ目(ホゾ)の状態を疑っておいた方が無難です。
また、カンベリ(指板のすり減り)は音色に影響し、
調整にも数万円かかるので要チェックです。
指板に凸凹が多いなら避けておいて損は無いでしょう。


・胴 

津軽三味線は皮の破れは両面だと、
グレードにより、両面で4万円〜7万円位かかります。
本体中古相場が5万円前後だからと安易に考えていると、
結局トータルで10万円オーバーの出費になることも・・・。
胴は木の模様が綺麗で詰まっているほど上質と言われています。

・小物類
バチは付属しているか、駒は付属しているか、
ケースは付いているかなどこの3点は、
別売りで揃えると意外と値が張ります。
本体価格と比較しつつ、入札判断基準にもなります。
逆に、本体以外に何も付属品が無い場合、ジャンク品や
転売出品の可能性も高くなる傾向があります。

 

その他、和楽器メディアで実際に三味線をオークションで買った記事がありますので、よろしければこちらもご覧ください。

初心者、三味線を買う!三味線をオークションで買った時に困ったポイントを解説!!
こんにちは、和楽器メディアです!! 今年から影藤のプロデュースをしていますが、...

 

まとめ

 

このほかにも、見極めのポイントは色々あり、
これが全てではありません。また、最近は
画像の加工技術も進んで、棹の色具合調整や、
キズ消しなども簡単に出来てしまうので注意が必要ですし、
基本はノークレーム、ノーリターンなので文句は言えません。

「出荷時は、何ともありませんでしたよ」
そんな事を言われても仕方がありません。

もし、初めての1本が、こんな状態だったらショックですよね・・・。
手間とお金と時間ばかりを消費してしまう事になります。

そんな、ドキドキサプライズ(?)も「楽しみ」の1つとして、
楽しめる方以外はオークションは避けておいた方が無難です。

もし、これらのチェック項目を見て、
「不安だなぁ・・」と感じたら、迷わず三味線屋さんへGO!

 

中古で津軽三味線はありませんか?

という感じで三味線屋さんの門を叩いた方が、
親身になってアドバイスしてくれます。
また今後、修理やメンテナンスでお世話になる時も頼みやすく、

三味線についても色々と教えてくれますので、
オークションは2本目以降でチャレンジしても良いと思います。
いずれにしても「主治医」が居るのは大きな安心ですよね。

トータルのメンテ費用やオークション購入に使う
労力や時間を考えると、決して高い買い物ではありません。

また、綺麗にリノベーションされていることも多く、
まるで新品の様な綺麗さだったりしますので、
長い目で見つつ、三味線購入の選択肢に入れてみてはどうでしょうか。