尺八協奏曲とは
尺八協奏曲は2代目山本邦山氏が山本真山として活動されていた時に作曲された曲です。
この曲は故・山本邦山氏が人間国宝になられた際に書かれたお祝いの曲で、邦山氏の人生の苦悩や喜びなどを描いた曲です。尺八5人が奏でる濃厚な音色は、名曲と呼ぶにふさわしい一曲です。第一楽章と第二楽章の二部構成からなる尺八協奏曲の素晴らしさを本日は紹介します。
尺八協奏曲のココがイイ
この尺八協奏曲、実は大学一年生の時に演奏しました。右も左も分からないながらも、先輩たちとたくさん練習して舞台に立った、今でも忘れられない思い出です。そんな尺八協奏曲には素晴らしい点が
オール尺八という圧巻の構成
名前の通り、尺八オンリーというのがこの曲の素晴らしい点です。尺八という楽器一つで集まった者たちが曲を奏でる立ち姿は圧巻。尺八という楽器の音色や可能性を堪能することができます。また、箏や三味線だけという構成は結構見る事があっても、尺八のみという構成は中々見れないので、そう言ったレア度も高いです。
己の精神状態が反映されやすい尺八だけで奏でられる音は、演奏者を映す鏡となり、あなたをただの観客から一緒の曲を共有する者へと誘ってくれます。
独奏尺八がカッコよすぎる
尺八協奏曲、独奏パートがとにかくカッコいい!!ウットリするような音色を奏でる部分が多く、聴いていても見ていても独奏尺八に惹きつけられてしまいます。
私が大学一年生の時の演奏では、4年生の先輩が独奏尺八をされていて本当に格好良かったです。協奏曲であるのですが、独奏尺八はまた別の曲を聴いているような世界観を持っています。
個人的な感想ですが、独奏尺八が邦山氏をあらわしているようにも見えます。伸びやかだったり、激しかったりといった部分から、喜怒哀楽が見えるような印象を受けました。
各パートが重なる瞬間が最高にイイ
独奏尺八もカッコいいですがやはり協奏曲として、5パートの尺八の音色が重なる場面が非常に素晴らしいです。各パートが全く違うフレーズを演奏したり、半分に分かれたり、かと思えば音色が重なる一瞬がある。別の歩みがふとした瞬間に重なる、その瞬間の輝きがとても素敵です。
各パートの音が重なり、一つになった瞬間は鳥肌が立ち感動を覚えます。尺八を知っている人でも知らない人でも音色の重なりの魅力になってしまいます。
また、この重なりは第一楽章と第二楽章で異なる輝きを見せてくれます。二つの異なる重なりを楽しむというのもこの曲面白い点です。
難しくもできないという難易度ではない点
これは演奏する側のポイントではありますが、尺八協奏曲のイイところは、難易度がそれほど高くないという点です。
難しいことには難しいのですが、先輩と一緒に、仲間と一緒にやればできるというちょうどいい難易度の曲です。一緒にやることでコミュニケーションにも繋がり、先輩であれば指導力アップ、後輩であれば技術力のアップに繋がります。
一度は聞いてほしい尺八の名合奏曲
尺八協奏曲、なかなか聞くことのできる機会は少ないのですが、一度ぜひ生で聞いてほしい名合奏曲です。「あぁ、尺八ってこんなに素敵な音色なんだ」「こんなこともできるんだ!!」と感じてもらえること間違いなしのオススメ曲です!!
尺八協奏曲の楽譜とCD
楽譜
都山流公刊楽譜一覧 – 都山流尺八楽会 様
569番が尺八協奏曲です。
コメント