以前尺八の材質についてまとめた記事を公開しました。
本当に様々な材質があるのですが、尺八は長さも様々あります。長さごとに異なる特徴を持つ尺八、今回は尺八の長さと呼び方について紹介します。
■材質についての記事はこちら
尺八の長さについて
尺八の名前の由来は尺八の長さからきていると言われています。基本的な尺八の長さは一尺八寸であり、そこから尺八という名前がつけられました。
一尺はおよそ30cm、一寸は3cmなので、一尺八寸は約54cmという長さになります。
尺八は様々な長さがあり、一尺一寸(33cmくらい)や一尺三寸(40cmくらい)という短さのものから、三尺(90cm)を超えるものまで多種多様です。
下の写真は三尺三寸(約100cm)という超ロングサイズの尺八です。指穴を押さえるだけでも一苦労です。
短い程高く、長い程低い音が出る
笛系の楽器全般に言えることですが、長さが短い程高い音が出て、長い程低い音が出ます。基本的には八寸管を使いますが、一尺六寸などの短い尺八も重宝されます。
演奏する曲や、合奏であれば他の楽器との兼ね合いで使い分けるというのも尺八の醍醐味です。尺八だけの曲の場合も途中で吹く楽器の持ち替えなどを行ったりします。
また、民謡の尺八奏者の場合は歌い手さんに合わせるため、様々な長さの尺八を持っていることが多いです。
長い尺八は吹くのが一苦労
長い尺八は吹くのがとても大変です。
まず、指穴の間隔が広いので、押さえるのにも苦労します。指穴は押さえられるように位置が曲がっていたりと工夫をされていますが、それでも指をかなり伸ばさないといけません。
また、歌口(尺八の吹き口)までも長いので、腕もかなり伸ばさないと吹ける体制になりません。その上で通常の尺八よりも息の量が必要になるので中々音が出ません。
このように吹くのにとても苦労します。だからこそ、長い尺八を吹けた時の感動は一際すごいです!!展示会などで長い尺八をあった場合は、吹いて問題ない場合は是非チャレンジしてみてください。
長さ別、尺八の呼び方
尺八は八寸管、八寸、六寸管、六寸と言った「寸」で呼んだりします。それに加えて尺八吹きや和楽器奏者は別の呼び方をするのです。
それは、「エー管」「デー管」と言った呼び方です。これを、最初に聞くと「何を言っているんだろう??」が頭の中に浮かびます。
この呼び方は、フルート等の西洋楽器に習って「ドイツ語表記の音名」で呼んでいるんです。
「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」はアルファベット表記では「C・D・E・F・G・A・B・C」という表します。それをドイツ語で読むと「ツェー・デー・エー・エフ・ゲー・アー・ハー・ツェー」という呼び方になります。
これらを尺八の「乙のロ」という指穴を全て押さえた時の音で当てはめ呼んでいます。よく使う八寸管は「デー管」、六寸は「エー管」というような呼び方になります。
よく使われる長さと呼び方は以下の通りです。
管の長さ(尺) | 菅の長さ(cm) | 乙ロの音程 | 呼び方 |
---|---|---|---|
1尺6寸 | 約48cm | ミ | E管(エー管) |
1尺8寸 | 約54cm | レ | D管(デー管) |
2尺 | 約60cm | ド | C管(ツェー管) |
2尺1寸 | 約64cm | シ | H管(ハー管) |
2尺3寸 | 約70cm | ラ | A管(アー管) |
2尺5寸 | 約76cm | ソ | G管(ゲー管) |
この呼び方を覚えていると尺八奏者と一緒にやる時に「〇〇管」と言われても何を指しているのかがわかるかと思います。覚えておいて損なしです!!
まとめ:尺八は長さも色々、本当に個性豊かな楽器です
尺八は材質と同じように長さも様々で本当に個性豊かな楽器です。
演奏途中で持ち替えたりしないといけなかったり、一つの長さでは限界があったりもしますが、それをどのように工夫してクリアするのかといった感じで楽しむことができるのは尺八ならではです。
自分だけのお気に入りの一本を見つけて、楽しい尺八ライフをお過ごしください!!
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