《プロポス》三味線を飛行機に積んでも大丈夫なの?

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プロポス
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世界を旅する三味線シンガーソングライター なつみゆずです!

前回記事で語りましたが、海外旅行に楽器を持っていくなら断然、三味線がおすすめ。

 

《プロポス》海外旅行に楽器を持っていくなら、三味線をオススメする3つの理由
日本の文化を世界に伝えたい! 三味線シンガーソングライター・なつみゆずです。 ...

 

「でも、三味線を飛行機に積んで大丈夫なの?」とよく訊かれます。が・・・私は今のところ、大きなトラブルになったことは無いです。

 

ワシントン条約に引っかかる?

和楽器仲間の間でよく噂されているのが、「象牙とべっ甲がワシントン条約に引っかかって、税関で没収される」というもの。

 

伝統楽器である三味線はそれぞれのパーツが天然の素材から出来ており、象牙、べっ甲が主に糸巻きやバチの材料に使われています。これらの素材はワシントン条約で新しく獲ること、および輸出入が禁止されています。

 

空港に行くと、没収された象牙製品が展示されていますよね。

 

対策:象牙とべっ甲は使わない

実際に楽器を没収されたという人を私は直接知らないのですが、とはいえ税関で引っかかるのが恐いので海外用の三味線には象牙とべっ甲を使わないことにしています。糸巻きは木製。バチはアクリル。

(余談ですがこのアクリル撥、見た目がカッコイイのと、良い音が出るので気に入っています。音に柔らかさというか、丸みがある感じかな。難点は普通のバチに比べてかなり軽い点。津軽三味線の激しい曲を弾くと腕が疲れるので注意😅)

 

対策の甲斐あって大きなトラブルに遭ったことは幸い、まだ無いのですが、対処可能な程度のトラブルは多少ありましたね。

 

これまであった事件

その1:木材の密輸出を疑われる

インドネシア国内線にて。2018年夏、バリ島からジャカルタへ飛んだ時でした。

いつものように三味線を分解して、ケースに入れて機内持ち込み。フィリピンからバリ島へ入った時も、バリ島を出る時も特に何事も無かったのですが、ジャカルタの乗り換えの手荷物検査で別室に持って行かれたきり出てこない・・・。

 

 

「この木の棒はなんだ?」

三味線の棹は上部、真ん中、下部の3つに分かれます。

↑分解した状態の三味線。

 

 

上部は糸巻きがついているので、知らない人から見ても楽器っぽい。

下部も太鼓がついているので、明らかに楽器っぽい。

 

問題は真ん中。

 

糸巻きと太鼓が付いていない三味線の棹って、ただの木の棒なんですよね!

 

 

三味線の原料に使われている木材は、東南アジアや南アジアが原産地。木材の密輸出を疑われたみたいです。

 

・・・いやいや、こんな短い棒1本だけ持って帰って、一体何が出来ると言うのよ!?

 

3つ繋いだら楽器になると説明したら、わかってくれました。

 

 

冷静に説明すれば心配なし

密輸出とは疑われないにしろ、飛行機で三味線を運ぶ人は珍しいので、手荷物検査で別レーンに連れて行かれたり、何度も念入りにX線検査をされたりすることはよくあります。私の体感ではだいたい2回に1回くらいの確率でケースを開けて検査されます。冷静に説明すれば大丈夫です

英語に自信が無くて不安であれば、説明を書いた紙を持参しても良いかもしれません。

 

その2:勝手に預け入れ荷物室に持って行かれる

こちらは2018年春、アメリカ国内線での出来事。サンフランシスコからニューヨークへのフライト。

機内持ち込み荷物として機内まで持って行ったのですが、「乗客が多くてコンパートメントに空きが無いから」という理由で、勝手に預け入れ荷物に持って行かれてしまったんです!

 

いつの間にか預け入れ荷物へ・・・

当初キャビンアテンダントさんが三味線ケースを持って行った際には、自分の周囲に空いている棚が無いから、離れた所に入れられたのだと思った私。(こういうことは多々ある)

その後、機内で使うタオルを三味線ケースの中に入れっぱなしだったことに気づき、「あの荷物出して!」と言うと

 

「預け入れ倉庫に持ってっちゃったから無理よ!」

 

と。

 

「あれ、壊れ物なんですけど!?!?」

 

と慌てて抗議するも、そこはサービスが悪いことで有名なアメリカ国内線。まったく取り合ってもらえず、ニューヨークまでの6時間、気が気でない状態で過ごす羽目になりました……。

 

ちなみに、タオルが無いので顔も洗えませんでした。

 

 

なんとか無事だったけど。

前回記事でも書きましたが飛行機の預け入れ荷物って過酷な環境に置かれるんですよね。空港での積み下ろしでは丁寧になんか扱ってもらえないので、スーツケースがボコボコに凹むことも珍しくありません。フライト中の荷物室は気圧や温度の上下が激しく、客席ほど快適な環境ではないです。

ということで心臓をバクバクさせながらニューヨーク・JFK国際空港にたどり着いた私。

ラゲッジドロップから出てきた三味線。

 

何事もなく無事でした。良かったぁぁ・・・。

↑アメリカツアー時の荷物。全部で40kgくらい。

黒いケースに分解した三味線が入っています(勝手に荷物室に持って行かれたのがこれ)

 

「壊れ物なので手放せない」アピールをする!

この一件で学んだことは大事なものは飛行機の機内といえども手放しちゃダメだということですね。棚に入れるまで目を離さず、持っていかれそうになったら「壊れ物です」とハッキリ言う

機内持ち込み荷物でも「壊れ物シール」を貼っておくと安心かもしれません。

以前、中国国際航空で同じことがあった時(棚が他の乗客の荷物で埋まってしまった)時には、アテンダントさんが中身を確認して、楽器だと言ったら客室内に置いてくれたのですが、その経験があったので油断していました。自分の荷物は自分で守る。これが鉄則です。

 

 

まとめ:英語で説明を用意しておく、楽器から目を離さない

まとめると三味線の飛行機運搬対策は主に以下の2つ。

英語で説明を用意しておく

簡単な英会話で「組み立てる楽器であること、日本から自分で持ってきたこと」を説明できるようにしておく。

This is Japanese traditional instrument. 

I can put them together.

I brought it from Japan with me.

↑分解した状態の三味線を見せてこれを言えばOKです。

自信が無い場合は紙に書いて用意しておいてもOK。

 

 

荷物から目を離さない

楽器に限らず言えることですが、たとえ飛行機の中でも自分の荷物から目を離しちゃダメです。特に大事な物は、航空会社のスタッフがどこかへ持って行こうとした場合でも必ず止めること。

持ち込み荷物でも「壊れ物シール」を貼っておくのも有効です。