先日、和楽器メディアでも紹介し、日に日に期待が高まる鼓童の新作公演 鼓童×ロベール・ルパージュ 〈NOVA〉の衣装と衣装を担当する世界的衣装デザイナー『キム・バレット』氏のインタビューが公開となった。第1弾と第2弾に次ぐ〈NOVA〉の最新情報を本日は紹介する。
新作公演〈NOVA〉とは?
『鼓童×ロベール・ルパージュ〈NOVA〉』は、太鼓芸能集団「鼓童」 と、シルク・ドゥ・ソレイユ「KÀ」「トーテム」などの演出で知られる演出家 ロベール・ルパージュ がコラボレートする作品だ。
鼓童が作り出す深い太鼓の音色。この音という目には見えない世界を、”映像の魔術師”と呼ばれる ロベール・ルパージュ が演出し、様々な手法を用いて視覚化するというこれまでにない公演となっている。
衣装デザイン:キム・バレット
映画、演劇、オペラを手がける衣裳デザイナー。オーストラリア出身。
1996年の映画「ロミオ+ジュリエット(監督バズ・ラーマン、主演レオナルド・ディカプリオ、クレア・デーンズ)」でデビュー、1998年に「スリー・キングズ」を担当後、1999年の「マトリックス(監督ウォシャウスキー兄弟、主演キアヌ・リーブズ)」とそれに続くシリーズ作で、革命的ともいえるクリエティブ・ワークを見せた。
その他の担当作品に「スピード・レーサー」「フロム・ヘル」、「タイタンA.E.」、「アメイジング・スパイダーマン」、「アクアマン」などがあり。最新作は現在製作中の「チャーリーズ・エンジェル」。舞台作品では、シルク・ド・ソレイユの「トーテム(演出ロベール・ルパージュ)」など多数手がけている。
〈NOVA〉衣装公開
こちらがキム・バレット氏が手がける〈NOVA〉の衣装となる。藍染を連想するような深い色合いの中に、波形のようなデザインが施されている。シンプルでありながらも何か意味を感じさせてくれるような雰囲気を持ったデザインだ。また、身体にフィットするような衣装は鼓童が作り上げる肉体の美しさを十分に魅せてくれるもののように思える。
身体の動きがわかりやすく、今回の音を視覚化する〈NOVA〉と調和したデザインではないだろうか。和のようで和ではない、しかし和を感じさせるこれまでにないデザインもまた〈NOVA〉という、今までにない挑戦の表れと見ることができるのかもしれない。
『キム・バレット』氏 インタビュー
Q.今回の衣装について.どのような“想い”を込めて製作されましたか?
〈NOVA〉の衣装はPhase2のケベック(での練習)でロベールとのディスカッションから始まりました。その時、鼓童とも初めてお会いして、創造的なエネルギー、佐渡という本拠地、鼓童という団体がどう生まれたかというストーリーにインスピレーションをたくさん得ました。もっとも面白く感じたのは「私が見る鼓童」のアイディアをもとに衣装を展開させていくことでした。若くて、力強く、ダイナミックな演奏がありながら、日本の伝統や文化に敬意を示している彼らの姿がありました。
Q.何をイメージして製作された衣装なのでしょうか?
私はDNAや指紋などのデザインを通してそれぞれの個性やユニークさなどを語る視覚的ストーリーを描きたいと思っており、それらのデザインで同時に人類すべてを表現したいと思っています。
Q.〈NOVA〉衣装製作のハイライトを教えてください。
今回衣装を製作するにあたって、美しい佐渡島を訪れることが出来たこと、鼓童の本拠地である鼓童村や研修所を拝見し、佐渡に住んでいる素晴らしい職人出会えたことが私にとって〈NOVA〉の衣装作りの一番のハイライトでした。
Q.なぜ鼓童からの依頼を受けたのでしょうか?
ロベールとのコラボレーションは私にとって挑戦的で冒険的なプロジェクトに挑む最高の理由です。鼓童の様なカンパニーと出会ったことがなかったですし、一分一秒をとても楽しくさせてもらっています。
Q.苦労した点、面白かった点、楽しかった点を教えてください。
予算との兼ね合いは苦労していますが、鼓童の皆さんと出会えてコラボレーションをしていること自体が楽しいです。それに加えマーク(キム氏のアシスタント)やエクスマキナ(ロベール・ルパージュの芸術指揮のもと、多分野で舞台演出・製作を担う総合制作会社)と仕事ができているのも嬉しいですし、鼓童のメンバーやスタッフと過ごした佐渡での思い出は一生忘れません。
Q.鼓童だからこそ必要だった工夫はありますか?
彼らが出す音を聞いて、感じるということの必要性を実感しました。衣装としては演奏者の身体性を表現すると同時に、衣装の形やスタイルに合わせて彼らの動きやすさを生み出すことに工夫が必要だと感じています。
衣装・音・動き、そして視覚へ
第一弾、第二弾のトレーラーにて、どのような演出なのか、少しではあるが知ることができた。この第三弾の衣装公開で今回の『鼓童×ロベール・ルパージュ〈NOVA〉』の全容を更に知ることができた。衣装・音・動き、これらに演出が加わり果たしてどのように視覚化されていくのか、今後も〈NOVA〉の展開から目が離せない!!
鼓童×ロベール・ルパージュ〈NOVA〉 公演概要
公演名 | 鼓童×ロベール・ルパージュ〈NOVA〉 |
演出 | ロベール・ルパージュ |
日程 | 2020年 ・5月14日(木)・16日(土) 横須賀芸術劇場※プレビュー公演 ・5月23日(土)26日(火)・28日(木)~31日(日) 東京建物Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場) ・6月7日(日) 熊本県立劇場演劇ホール ・7月10日(金)~12日(日) 新潟県民会館大ホール ・2020年7月25日(土) やまぎん県民ホール(山形県総合文化芸術館)大ホール ・2020年9月3日(木)~6日(日) KAAT神奈川芸術劇場 ・2020年9月11日(金)~13日(日) 愛知県芸術劇場大ホール ・2020年9月19日(土) 厚木市文化会館大ホール ・2020年9月26日(土) フェニーチェ堺大ホール |
主催 | 北前船、豊島区、公益財団法人としま未来文化財団 |
後援 | カナダ大使館、ケベック州政府在日事務所 |
製作協力 | Ex Machina |
Technological partner for video and tracking | VYV |
協力 | KAAT 神奈川芸術劇場、横須賀芸術劇場((公財)横須賀芸術文化財団)、フェニーチェ堺 |
特別協力 | 読売新聞社 |
助成 | 公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京 |
企画:製作・著作 | 北前船 |
太鼓芸能集団『鼓童』
太鼓芸能集団「鼓童」は太鼓を演奏するプロ集団。
数多く存在する太鼓プロ集団の中でも、トップクラスに位置する知名度とそれにふさわしい技術力を持っており、日本国内だけでなく世界中でも活躍するワールドワイドな太鼓集団です。
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