ここ数ヶ月、和楽器メディアとしては記事をあまり上げることができませんでした。簡単にいうと記事を書くことができなくなっていたので、お休みをいただいておりました。
休みを経て、和楽器の世界を少し離れた所から見て、色々考え、そして戻ってきました。まだまだ迷い、悩みはありますが、改めてのスタートとして、この記事を書かせていただきました。
コロナの影響で見通しの立たなくなった計画
2020年度、和楽器メディアとしてはメディア運営だけでなく、国内外の和楽器イベントを含め展開し、多角的に活動を進めていく予定でした。
しかし、コロナの影響が出はじめた2月終わり、3月頃から海外でのイベントの話などの雲行きが怪しくなってきました。3月中頃には国内でも雲行きは怪しくなり、4月に入ってからの緊急事態宣言。これにより2020年度の計画を再度検討しなくならなければなりませんでした。
すぐに収益につながらなくとも、足掛かりとしての2020年と考えていた為、計画変更の影響は大きく、様々な方法を検討してみるもパッとしたものはで出ず、行き詰まっていました。
メディアとしての意義とは何か
行き詰まった中、色々検討しなければというプレッシャーの中で悪循環に陥りました。そして、メディアとしての存在意義そのものが分からなくなってしまったのです。
メディアを続けることで何ができるのか、意味があるのか。
そんな思考が頭の中を巡っていました。存在意義が分からなくなりながらも、4月頃までは頑張ろうとなんとかやっていました。しかし、日を追うにつれ、記事を書こうとしても文章がまとまらない、思考がまとまらない、そんな状態になっていきました。
記事を書くことをヤメた
そして一旦「記事を書く」ということから離れました。
無理をして書くという選択肢もありましたが、コロナの先行きが立たない中、この状態で進んでいっても長続きはしない、と直感したからです。
今頑張ることで、後がもたないなら今は頑張らない、そう決めました。
世間や和楽器の世界ではコロナで大変だけど頑張ろう、という動きがあった中なので、メディアを運営する自分が休んでいていいのか、そんな罪悪感はありました。
ただ、罪悪感で活動することは違う、書けないけど罪悪感がある、そんな中での休みでした。
ヤメて考えて、見えたもの
モヤモヤしたものはあったものの、休むことは心のリフレッシュになりました。そして、記事を書かない日々の中でも「和楽器メディアとは何か」と考えることとや、可能な限りの情報収集は続けることでたくさんのものが見えました。
それは、和楽器の世界での変化の有無、活動されている方の思考や流れ、派閥のようなもの、和楽器を純粋に楽しんでいる方の投稿など、様々な和楽器のカタチでした。
何でもかんでも和楽器に紐付けず、少し離れた部分から見ることで、和楽器の世界の良くも悪くも他の世界とは異なる部分がよく見えました。それと同時に自分自身も和楽器の世界にいかに浸っていたかということも分かりました。
まずは自分の目標をクリアする
まとまらないが色々考えた日々の中で、まずは「自分自身の目標をクリアしよう」と思いました。
これまでは和楽器メディアとして、やりたいことは掲げていたもののどこかみんなに伝わる大義のようなものを掲げて活動していました。
「和楽器を広める」「より多くの人に和楽器を楽しんでもらいたい」とか。
もちろんこの気持ちは自分の中にはあります。ただ、あまりにも漠然としているし、本当に自分がやりたいこと、目標にすることと結びつけるにはあまりにも広義である、と改めて感じたのです。
伝わりやすいものを掲げる内、自分自身の中での活動原理が複雑になりすぎていました。思い返してみれば、自分の中にあるのは
「関わった人を笑顔にする」
「和楽器の世界で仕事を作る」
「和楽器の世界にお金の流れを作る」
という思いでした。
「和楽器を広める」「より多くの人に和楽器を楽しんでもらいたい」とこれらは結びつくものもあるけど、活動する上の結びつきとして考えるにはベクトルが違うと自分としては思っています。
そもそもメディアという手段を選んだのも、メディアを通して、発信したい人や受け取りたい人といった「関わった人を笑顔にする」。仕事として確立し、「和楽器の世界で仕事を作る」「和楽器の世界にお金の流れを作る」ということを成せるからだったからです。
日々がむしゃらに、周りを気にしてやっていく内に、そこが分からなくなってしい、記事を書くことに抵抗があり、その歪みがこのコロナというタイミングで大きく出てきたのだと思いました。
離れることで考えを整理し、自分の中で納得のできるピースを拾い直すことができました。
無意味な消耗はヤメる
目標を改めて理解できたのと同時に、これまであまり意味のない肩の張り方をしていた、ということも改めて実感しました。
メディアということでそれなりに情報収集しています。なので、プロアマ問わずこの業界で活動している人、似たような活動をされている方の情報は把握しています。そこに対し、意識無意識問わず遠慮する部分や気に掛ける部分はこれまであったのだと気付きました。
正しく言うと、気づいているけど気づかない、みたいなごまかしというべきでしょうか。それを認めたくない、という感じです。
これは自分自身だけでなく、和楽器界の中ではままあることと、様々な発言から見て取れるなと思います。縄張りを守る、ではありませんが互いに互いを意識し、当事者同士でしか分からなそうな牽制や匂わせ、そういったもの、しかしそこに対して思ってないです、みたいな雰囲気を醸し出す。
しかしながらこれって本当に意味がないことでした。
他人がどうとかではなく、自分の中の目標をクリアする、これだけでいいんです。人と重なることなど他の業界では普通にあることですよね。和楽器という大きいようで小さい世界だから、それを避けて自分のパイを守る方が楽なのでしょうが、それは違うなと思います。
もし同じように悩む人がいたら、どんどん実行したら良いんじゃないかなって思えます。〇〇さんがこれはやっているから、○○さんはこれに長年携わっているから、関係ありません。外から見る人、コンテンツを使う人からしたら何年やっている、というのは関係なく、そこにあるのはそのコンテンツに価値を感じるかどうか、という所だと思います。
たくさん色々な物が生まれる中で思考し、時に競い合い、ブラッシュアップされ、より良い物が生まれます。なので、悩んでいる方はどんどん実行してみてください。
休みを経て、答えを導く
色々考えたものの、実際まだ自分の中でカチっとハマる答えというものはありません。
しかし休みを経て、ピースは揃ったと思います。ここからは机上ではなく、再び活動してピースをはめて答えを導いていくしかない思っています。
やらなければいけないことは山積み
自分の目標を達成し、その先にあるものを掴むにはまだまだやらないといけないことが山積みです。
これは、手を止めていたからやらなければいけないことが山積みなのではなく、改めてしっかりと考えてみると、やらなければいけないことが山積みなのだと感じました。
山積みだけど、どうやっていくかを考えると楽しくもあります。
最後に、ご迷惑をおかけしてしまったことへ
今回休んでいた間、メディアとして情報発信を期待していた人からすると、期待に添えなかった部分で信用というものを失ってしまったとは思います。
それを取り戻すのはとても難しいことだと思います。やり方ももっと他にあったのかもしれません。
しかし、今ここで何を言ってもそれはどうしようもないことであり、ここからまた和楽器メディアの活動をみていただき、信用するに値するかどうか、ご判断いただければなと思います。
今後とどうぞよろしくお願いいたします。
おまけ:メディアは、生み出すものでもあり、バロメータでもある
今回の休みでメディアは新しい情報や流行を生み出す発信源でもありますが、そもそもその業界のバロメータでもあるということがよく分かりました。
コロナの中、当初は落ち込んでいたPV数もここ最近ではほぼ戻りつつあります。むしろ以前よりも好調といっても良いかもしれません。
ここから、メディアはバロメータである、ということがよく分かりました。いまどのくらいの人が興味を持っているのか、というのが顕著に分かります。
このサイトの構成や記事の品質、といった部分もありますが、よく読まれている記事、読まれない記事から傾向を判断することは可能です。
今まではメディアで盛り上げていく、ということで意気込んでいましたが、考えてみるとそれも一理ありつつも、メディアは今の和楽器界への興味を表ている、ということが改めて分かりました。このあたりは今まで意識したことがあまりなかったのかもしれません。
メディアとして、情報を発信しつつも、この視点から今後は色々活動できるのでは、と思います。メディアの統計もいかしつつ今後展開する様々なコンテンツをお楽しみいただければと思います。
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