こんにちは、和楽器メディアです!!
和楽器メディアでは2021年から和楽器メディア限定色であるエメラルドグリーンの三味線用糸巻きを販売しております。
このエメラルドグリーンから早2年、現在新色の糸巻きの開発を進めています。
その新色開発の際に、以前の開発で試染した糸巻きを再利用しようと思い、カラーのアクリル糸巻きをクリアのアクリル糸巻きに戻してみました!!
試作用なので、職人さんの商品レベルのクオリティではありませんが、素人でもアクリル糸巻きを磨いたり、加工できたりするんだよ、ということを知ってもらえたら嬉しいです。(※ この記事に興味を持たれて加工される際は、怪我や糸巻きの破損などにご注意いただき、怪我や破損については和楽器メディアでは責任を負いませんのでご注意ください。)
早速、この糸巻きの色を落として、透明になるよう、再加工していきます!!
工程としては、色を落とすというより、粗めのやすりから開始してどんどん細かなやすりにしていく、といった手順です。その工程で色が落ちたり、透明になっていく、といった感じです。
粗めのやすりで削って色を落とす
最初は粗めのやすりで削っていきます。手元に400番のやすりがあったので、それで全体的に削ります。この番手だと本当に磨くというよりは削る、という工程で色がみるみる落ちていきます。
うっすら緑っぽさはありますが、全体削るとほとんど色が落ちました!!
粗い番手なので、あまりガシガシやると削れすぎてしまうので、注意が必要ですね。この段階だとまだ色も微妙に残っているし、表面の傷も目に見るし、触るとザラザラ感がすごくあります。
この段階は色がガンガン落ちるのもあって、気持ちいいですw
ちょっと細かい番手で削る
次は先ほどより細かい番手で削っていきます。今回は手元に600があったので削っていきます。緑色っぽさは消えました。表面は白く濁ってはいますが、最初の段階に比べるとこの時点でも触ると大分サラサラ、という感じです。
緑がかっていたものが透明になっていく姿はこれまたとても気持ちいいです。
色がついていた状態からここまでを比較するとこんな感じです。この状態でも新しい色の試染に使えないこともないですが、透明になっていないと色の透け感とかはわからないので、まだまだ磨いていきます!!
ひたすら番手を上げて磨いていくターン(辛い)
この後も基本的には同じで、どんどんやすりの番手を上げていって磨いていきます。ここからは色の変化もあまり見えなくなってくるので、結構しんどい時間が続きます。
右が800番で磨いたものです。600番に比べて少し透明度が上がった気がします。
光に反射して少し傷が見えますが大分目に見える傷も減っています。番手を上げていくと大きな傷はカバーできないので、本当に透明なものにするのであれば、各段階もっと磨いた方が良かったりします。
今回は試染用なのである程度の透明感があればOKなのと作業時間を考えこの辺りで次へ進みました。
1200番で磨くと更に透明度が上がりました。
続いて1500番、すこーし透明度があがったかな?という感じですが、肉眼だとそこまで差異がないようにも見えました。
大分透けてきているけど、なんか本当に透明になるの?と不安になってきますねw
2500番、磨き方や撮り方の問題もあり、なんかほとんど2000番と変わらないような感じでした、、、この辺りでもう腕はパンパンです。ちなみにこれはまだ一本目なので、終わってもあと2本800番からの磨きが控えています、、、(辛い)
3000番、心なしか透けている感じはあるものの、目に見える変化かと言われると微妙でした。
5000番、買ったやすりのセットが3000の次が5000でしたが、ものによっては3500とか4000とかがあるらしいので、ある場合はその番手でも磨いて良いのかなーと思います。(辛いよ!!)
この時点でまだまだ透明にはほど遠いけど、大丈夫なの、、、?ってなりますよね、、、大丈夫です、多分。以前アクリル端材でも同じことをやりましたが、その時も同じように透明になるの?と私も不安でした。
7000番まできました!!買ったやすりセットの中ではこの番手が一番細かいので、今回はここでストップです
どうでしょう!!透明に、、、
なってませんね!!!
おいおい、これで本当に元の透明になるの?と心配になるかもしれませんが、大丈夫です。まだ作業は終わりでありません!!
コンパウンドで磨いていく!!
現段階では少し透き通っていますが、透明には程遠いです、、、次はコンパウンドで磨いていきます。
コンパウンドって何?という方もいるかと思うので、簡単にいうと「液状やペースト状の研磨剤」のことです。一般的には車の傷隠しや磨きなんかに使われるのではないかと思います。プラモデルなどを自分で塗装したりする方もよく使うことがあるかもしれません。
コンパウンドも色々な種類があるのですが、今回は以下の3つを使います。
- タミヤ コンパウンド(粗目)
- タミヤ コンパウンド(細目)
- タミヤ コンパウンド (仕上げ目)
以前胴かけや天神カバーの自作をした際に磨きで使用したものがあったので、それを流用しました。こちらは模型メーカーのタミヤさんが出しているコンパウンドなので、比較的どこでも手に入りやすいものかと思います。
実際の工業用とかだともっと細かいものなどもありますが、試しにやってみたい場合はこのセットでも十分かなと思います。(傷が目立つ、というのはコンパウンドよりもその前のやすりの段階が甘い、というのがほとんどですので)
さて、この7000番まで磨いたものをまず、粗めのコンパウンドで磨いていきます。
すると、、、
デン!!!!!
一気に透明になりました!!!
コンパウンド前後を比較してみるとこんな感じです。
全っっっっっっっ然別物になりましたw
え、、、何が起きたの!?という感じですよね。私も端材でやった時は同じでした。職人さん達からすれば当たり前かもですが、知らない人からすると本当にびっくりすると思います。
曇った状態から透明になっていく様子はこちらに納めています。
コンパウンドをつけて磨いたらあっという間に透明に変わったのがわかるかと思います。
次の作業は残りの細目→仕上げ目のコンパウンドで磨いていく手順となります。(各工程それぞれ別のクロスを使うのと、次の工程に移る前に一度コンパウンドをよく水で落とすようにした方が良いです)
細目で磨くとこんな感じになります。粗目よりも更に艶感や透明感が上がりました。
そして、最後に仕上げ目で磨いていきます!!仕上げ目で磨くとこんな感じになります!!先ほどの細目よりも下敷きの模様などもより見えるようになっています。
光に反射して傷が見えるのは、紙やすりの工程が甘かったからですね、、、普通に見るとそこまででもないのですが、こう見ると目立っていますね。ぜひみなさんがチャンレンジする際は、極限まで突き詰めてみても面白いかと思いますw
空にかざすとこんな感じです。
試染には問題ない透明度になったかと思います!!とはいえまだこれは1本目なので残り2本も同様に磨いていきます、、、
しんどいけど、、、3本磨き終わりました
1本よりも3本、時間がかかるのは当然ですね、、、昼前くらいから始めて終わる頃には夕方前くらいになっていましたw
が、なんとか3本とも磨き終わりました!!
3本とも空にかざすとしっかり透明なのがわかります。腕がパンパンですが頑張った甲斐がありました!!
最初と比較して、、、
最初のこの状態から
こうなりました!!
最初の面影はどこにもないですね!!しっかりと色を落とし、透明にすることができました。しかし、角の部分を削ってしまったりしているので、最初のものに比べるとちょっと丸っぽいフォルムになってしまっていますw
試染用ではありますが、次にやる時はもっともっと突き詰めていってみたいものです!!
こういった作業を職人さんは、もっと丁寧に、精密に行い、最高の透明度で仕上げてくださるので、本当にすごいと思います!!
職人さんの場合だと機械なども使用していたりしますが、それはそれで素手よりも技術が必要でしょうし、熟練の技と経験が作り上げるものの偉大さを改めて感じることができました。
やることで初めてわかる大変さと楽しさ
どんなこともそうですが、実際にやってみることで初めてそのものの大変さだったり、楽しさが分かりますよね。今回の作業で改めてそのことを実感しました。
職人さんが身近にいるとつい頼りたくなってしまうのですが、自らができることは自分でやる、ということも重要だなと思います。
とはいえこれはあくまで和楽器メディアの話でして、この記事をご覧いただいた皆様には、「こういうことができるんだ」とか「ちょっとこれ自分もやってみたいかも」とライトな楽しさが少しでも伝われば嬉しく思います。
おさらいとして今回使用したものと工程です!!
使用したもの
- 紙やすり
※2500くらいまでしかないセットだとちょっと厳しい - コンパウンド
※最低でも今回の粗目、細目、仕上げ目の三段階ぐらいあるのがおすすめ - コンパウンドの際のクロス
※同じクロスで磨くとよくないので、クロスはコンパウンドの種類だけあった方が良いです。
可能なら色分けされていたりすると、使い間違えることがないと思います。
手順
- 目の粗いやすりでまずは色を落とす(削り過ぎに注意)
- 目をどんどん細かくしていって、傷をなくす(紙やすりの段階だけだと本来の透明度にはほぼならない)
- コンパウンドを使用して磨く(この段階で透明になります)
一連の動画もアップしてありますので、併せてご覧ください。
透明に戻したら次は自分で染め直してみるもよし、ここから更に加工してみるもよし、と色々な可能性がございます。今回はこの後は試染に使用しましたので、その様子はまた後日紹介いたしますので、そちらもお楽しみに!!
※ この記事に興味を持たれて加工される際は、怪我や糸巻きの破損などにご注意いただき、怪我や破損については和楽器メディアでは責任を負いませんのでご注意ください。
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