今日は「春の海」という筝曲について紹介します!
「春の海」とは宮城道雄が1929年に作曲した筝曲です。箏のパートと尺八のパートがあり、二つのパートの掛け合いからなる曲です。テレビや店などでお正月に流れる曲は「春の海」の冒頭のフレーズのことが多いです。
「春の海」は瀬戸内海の春をイメージした曲です。実は冒頭の有名なフレーズは、穏やかな瀬戸内海の波が寄せては返す様子を、1フレーズ中の音の高低で表現しています。
他にも舟のへりを波が叩く音や鳥の声など、瀬戸内海の春が音で多彩に表現されています。
前述のとおり、お正月などによく流れるこの曲は多くの方が伝統的な筝曲の代表曲としてのイメージを持たれているかもしれません。しかし、実はこの曲は筝曲の中では比較的新しく、また革新的なスタイルを取った曲なんです。
そもそも宮城道雄は西洋音楽の作曲家や演奏者と関わりを持ち、邦楽曲の作曲にもその特徴を取り入れたことで有名です。14歳で初めて作曲した「水の変態」から既に西洋音楽の手法を取り入れています。このような、大正中ごろから昭和初期にかけての邦楽の伝統に囚われず西洋音楽の要素を取り入れる流れは新日本音楽と呼ばれています。宮城道雄は尺八奏者の吉田晴風と共に新日本音楽の代表的な演奏家として知られています。
この「春の海」はフランス人のヴァイオリニスト、ルネ・シュメーによって尺八がヴァイオリンに編曲されます。宮城道雄の箏とヴァイオリンで録音された「春の海」のレコードは世界中で販売され、この曲は有名になっていきました。
今日では、箏と尺八、また箏とヴァイオリンの組み合わせ以外にも、ハープ・フルートなどが代わりにつかわれる編曲もあり、自在に楽器を変えて楽しまれています。
これからこの曲を聴いたときに、「あ、春の海だ!」と気づいていただけると嬉しいです!
参考文献
MIYAGI KOTO ASSOCIATION宮城道雄オフィシャルサイト https://www.miyagikai.gr.jp/miyagimichio

コメント