リード三味線、ベース三味線、ドラムで構成されたインストゥルメンタル3ピースバンド THE SYAMISENISTのニューアルバム「re:tokyo」が4月8日にリリースされた。
新しい時代の日本、東京…そして、新たに迎えた時代で三味線という楽器は、THE SYAMISENISTはどういった音を奏でるのか…
THE SYAMISENISTの音楽と、三味線に持つパワーを感じることができる素晴らしいアルバムについて、紹介する。
THE SYAMISENIST とは?
THE SYAMISENISTはTRANSIST RECORDS所属の「リード三味線」「ベース三味線」「ドラム」で構成されたインストゥルメンタル3ピースバンド。
ESPエンタテインメント和楽器セミナー特別講師も務めるシャミセニスト、寂空-JACK-を筆頭に、史上初のベース三味線を担当するYUJI、あらゆるジャンルをハイクオリティでこなすドラマーのKYOHEIの3人が、日本の古楽器を使いながらも、“ニホンのイマ”、‘’トーキョーのイマ”を世界へ向けてかき鳴らすバンドだ。
THE SYAMISENIST メンバー
寂空 -JACK-
津軽三味線
1984年静岡生まれ、湘南育ち。
エレキ三味線を使った多彩なアプローチを得意とし、ジャンルレス、ボーダーレスに活動。
ESPエンタテインメント大阪校和楽器セミナー特別講師。
2014年、津軽三味線世界大会唄付けA級部門、銀賞。
2019年、ガンジー150周年に際する外務省主催プロジェクトにて、ガンジーが愛した献身歌の日本版アレンジでディレクターを務め、その作品が見事に評価され、印度外務大臣賞を受賞。
2019年、G20に際し訪日されていたブリジット・マクロン・フランス共和国大統領夫人と安倍昭恵内閣総理大臣夫人の懇談会に際し、盆栽師 平尾成志さんとの盆栽ライブパフォーマンスを披露。
2019年、THE SYAMISENIST、ラグビーW杯セミファイナルのオフィシャルレセプションとして横浜アリーナで演奏を務める。
2020年2月、バンド初のヨーロッパツアーを決行。フランス・イギリスでのライブツアーを成功に収め、現地の新聞やラジオなどのメディアでも取り上げられる。
・主な参加作品
スカイツリーソラマチ館内BGM /アニメ「活撃 刀剣乱舞」のBlu-Ray/DVDの特典音源「証」/ アニメ「ヘタリア」 キャラクターCD II Vol.2 日本(CV:高橋広樹)/鈴華ゆう子(和楽器バンド)水戸黄門祭り2019公式テーマソング「いざ、水戸黄門祭り」 /「尺八を五つの音だけで吹く本。」神永大輔(和楽器バンド)/ ヤマデロイド「アジアの海賊」(唄・山寺宏一)/ ケロポンズ「ニッセイ体操 つるかめクス」etc.
津軽三味線
津軽三味線山中流名取師範・山中信祐
福井県出身。
2013年、山中信人氏に師事する。
2017年、津軽三味線世界大会・唄付伴奏部門B級・優勝
2019年、新世代邦楽コンクール・準優勝
アイドルグループ、嵐の相葉雅紀さん・アカデミー賞受賞女優、藤野涼子さんをはじめ、CM・映画等での三味線指導も多数。
積極的に行う。
またレコーディングに参加した作品も数多く、ドラマ・CM・映画・ゲーム・J-POPと幅広く展開している。
近年ではHey!Say!JUMP、ワンピーススクラッチくじのCM等
ドラム
1991.06.16(A型)
4歳よりドラムを叩き始め、ロックからクラシックまでジャンルを問わず活動。
音楽大学卒業と同時に中学校一種、高等学校一種の音楽科の教員免許状を取得。
現在は津軽三味線2本とドラムのThe Syamisenist、ギタリストの弟とサックス奏者の妹とのバンド、笹本兄妹、他様々なアーティストのサポートドラマーとしても活動。
また、パーカッション全般も得意とし、カンテ(フラメンコの歌い手)の高岸弘樹氏をはじめ、パーカッショニストとして参加した公演も数多く、その活動は多岐に渡る。
契約ドラムメーカー: Bonney Drum Japan/Gostray Custom Drum Works/Los Cabos Drum Sticks/ASPR Drum head
ニューアルバム「re:tokyo」について
re:tokyo は「再生」と「破壊」をテーマに、2020年代という新しい時代に突入した”tokyo”に向けられた3人のメッセージが込められている。収録されている曲は、どの曲も新しい時代を感じさせてくれるものとなっている。
和楽器アーティストの曲となると、その和楽器の持つ新規性や音というものがフィーチャーされるが、re:tokyo では音楽そのものとしての新しさや熱さ・厚みを感じることができるアルバムとなっている。
プロデューサー「tatsu」、サウンドエンジニア「遠藤ナオキ」
re:tokyoのプロデューサーを担当したのはLÄ-PPISCH(レピッシュ)のtatsu氏。そして、サウンドエンジニアは遠藤ナオキ氏が担当している。音楽の世界で活躍する両氏のサポートを交え、今回の re:tokyoは制作された。和楽器とは異なる世界のプロが交わることで、「再生」と「破壊」が一層引き立っているように思われる。違う分野のプロたちがクロスすることで生まれた音楽といった面でも、この re:tokyo の面白さを伺うことができる。
「re:tokyo」収録曲
収録 |
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1. The Landing |
2. ISOLA REMOTA |
3. Shibuya Scramble Terminator |
4. 処女航海 |
5. HERTZ |
6. ANACONDA |
7. LOTUS |
8. HARE |
9. Modernized Flight |
10. 【re:tokyo】 |
和楽器メディアお気に入りは「HERTZ」、「Shibuya Scramble Terminator」
re:tokyoに収録された曲はどれもアツさを感じる曲ばかりだが、和楽器メディアがお気に入りなのは「HERTZ」 「Shibuya Scramble Terminator」の2曲だ。
この2曲は、収録曲の中でも独特な雰囲気を持っている感じを受けた。速いテンポ感、ゆったりとしたテンポ感という割り切れる雰囲気とは異なる不思議なテンポ感だ。
古典的な三味線だとゆったりとした印象であったり、津軽三味線や現代的な三味線だと早弾きというようなイメージが一般的にある中、この2曲はそういった雰囲気とは異なる、三味線の新しい印象を聞く人に与えてくれる曲だと感じた。
スピーディな曲やゆったりとした曲も三味線の素晴らしさを伝えてくれるわけだが、 re:tokyoという 新しい時代に突入 することをテーマとしたアルバムにマッチした新しい印象の曲として、お気に入りの2曲だ。
もちろん他の曲にも素晴らしいサウンドがたくさん込められている。re:tokyo を聴いて、自分だけのお気に入りをぜひ見つけて欲しい。
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