今回は現代邦楽の名曲『夢絃98』を紹介します。
箏・十七絃・尺八・三絃がふんだんに盛り込まれていて色々な楽器の音を楽しむことができる一曲です。
『夢絃98』の作曲者
『夢絃98』は菊重精峰先生作曲の曲です。
菊重精峰先生は、千鳥五重想(ちどりごじゅうそう)や菊花繚乱(きっかりょうらん)など、箏や十七絃を主体として、尺八や三絃も入った現代曲を数多く作曲されています。
人気の曲が多い中、竹紫絃明(ちくしげんめい)などの曲は非常に難しいながらも多くの演奏者の憧れの曲として人気です。私が学生の頃も、三絃をやっていた人で竹紫絃明をやりたいという人は多かったです。
また、新元号の名前を冠した令和六段という曲も発表しています。
『夢絃98』の構成
パート
演奏時間
- 約11分〜13分
『夢絃98』の曲調
出だしは軽やかなテンポから始まり、中盤には一般的な和楽器を連想させるようなメロディ、中盤から終盤にかけてJAZZ調のリズムが登場します。曲の印象がガラッと変わる、タイトル通り「夢」にいるような展開の変化が楽しめる曲調です。
特に中盤のJAZZ調の部分の各楽器の掛け合いなどは非常に面白く、聞いた人の和楽器のイメージをガラッと変えてくれます。
『夢絃98』の難易度
大人数での合奏という点でも難易度は高めの曲だと思います。また、出だし→中盤→終盤とテンポ感や曲のイメージも変わるので、その点をしっかり表現できるかという所かと思います。
また、リズムを刻むのでテンポがドンドン早くならないようになどのテンポキープといった所も試される曲です。
演奏者一人一人の実力と合奏といは何かという総合力が見える曲だと思います。しかし、チャレンジする楽しさがある曲ですね。和楽器をある程度やってきた段階で皆んなでチャレンジしてみようという難易度ではないかと思います。
まとめ:現代邦楽の楽しさが詰まった一曲
『夢絃98』は箏・十七絃・三絃・尺八がテンポよく一体となる、まさに現代邦楽の楽しさが詰まった一曲です。和楽器という楽器はしっとりおしとやかだけでなく、色々な表現ができることを一曲で教えてくれる曲です。
演奏者の方にはこれから秋の演奏会に向けて、ぜひ取り組んでほしい一曲です。和楽器をやったことがないという人は、『夢絃98』がラインナップされている演奏会があったらぜひ聞きに行ってほしい曲です。
構成が箏・十七絃・尺八・三味線と三曲合奏の楽器が網羅されているので、邦楽団体や邦楽サークルでも演奏しやすいかと思います。そして、出だしの現代邦楽っぽい部分から一転後半のJAZZ調が演奏会などの雰囲気を変えたい場面でも多いに力になってくれます。
『夢絃98』で素敵な和楽器ライフをお過ごしください!!
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